賃貸でも安心!日焼けから床を守る方法|フローリング・畳別に解説

 

「賃貸だから仕方ない…」と諦めていませんか?日差しが気持ち良い部屋は魅力的ですが、フローリングや畳は紫外線によって日焼けし、色褪せや変色などのダメージを受けてしまいます。この記事では、賃貸住宅でも安心して実践できる、床の日焼け対策をフローリングと畳のタイプ別に詳しく解説。紫外線が床に与える影響や、具体的な対策方法を知って、お気に入りの部屋を長く綺麗に保ちましょう。

1. 日焼けで床が傷む原因とは?

1.1 紫外線の影響

太陽光に含まれる紫外線は、肌の日焼けを引き起こすだけでなく、フローリングや畳などの床材にも大きなダメージを与えます。紫外線には、波長の異なるUV-A、UV-B、UV-Cの3種類があります。その中でも、UV-AとUV-Bが床材の劣化に大きく関わっています。

1.1.1 UV-Aがもたらす影響

  • 波長が長く、物質の奥深くまで到達
  • 床材の表面だけでなく、内部の成分を破壊
  • 木材の色素を分解し、変色や退色を引き起こす

UV-Aは窓ガラスを透過するため、室内にいても油断はできません。長時間、太陽光が当たる場所に設置された家具や床は、徐々にUV-Aの影響を受けて劣化していく可能性があります。

1.1.2 UV-Bがもたらす影響

  • UV-Aと比較して波長が短く、エネルギー量は大きい
  • 床材の表面にダメージを与え、劣化を促進
  • 塗料やコーティングの剥がれ、ひび割れの原因となる

UV-Bは、床材の表面に直接的なダメージを与えるため、UV-Aと比較して劣化が早く進む傾向があります。特に、直射日光が当たる窓際やベランダ付近では、UV-Bの影響を受けやすいため注意が必要です。

1.2 日焼けによる床への具体的な被害

紫外線による床への被害は、材質や環境によって異なりますが、具体的には以下のようなものがあります。

材質 被害の内容
フローリング
  • 変色:
    太陽光に長時間さらされることで、フローリング材の木材の色素が分解され、変色を起こします。明るい色のフローリングは黄色っぽく、濃い色のフローリングは白っぽく変色することがあります。また、部分的に色が変わってしまうこともあります。
  • 退色:
    紫外線によって木材の色素が分解され、本来の色味が失われてしまう現象です。全体的に白っぽくなったり、くすんだ色合いになったりします。
  • 乾燥:
    フローリング材の水分が蒸発し、乾燥が進みます。乾燥が進むと、フローリングの収縮や反り、割れなどの原因になります。
  • コーティングの劣化:
    フローリングの表面に施されたコーティングが、紫外線によって劣化することがあります。コーティングが劣化すると、ツヤがなくなったり、剥がれやすくなったりします。また、コーティングが劣化することで、フローリング材自体が紫外線の影響を受けやすくなり、変色や退色を促進させてしまう可能性があります。
  • 変色:
    畳はイグサという植物でできており、太陽光に長時間さらされることで変色します。緑色がかった色から、黄色っぽく変色していくのが特徴です。部分的に色が変わってしまうこともあります。
  • 退色:
    紫外線によって畳本来の色が薄くなり、白っぽく色褪せていきます。全体的に色が薄くなる場合や、部分的に色褪せてしまう場合があります。
  • 乾燥:
    畳は湿気を吸ったり吐いたりする調湿作用がありますが、直射日光に当たり続けると乾燥し、脆くなってしまいます。乾燥が進むと、畳表が割れたり、ささくれたりする原因になります。
  • ダニの発生:
    畳はダニの温床になりやすい場所です。直射日光が当たると、畳の温度が上がり、ダニが繁殖しやすくなります。

これらの被害は、床材の寿命を縮めるだけでなく、部屋全体の美観を損ねる原因にもなります。また、日焼けによって劣化が進んでしまった床材は、元の状態に戻すことが難しいため注意が必要です。日焼けによる被害を防ぐためには、紫外線対策を適切に行うことが重要です。

2. フローリング床の日焼け対策

フローリングの床は、紫外線による日焼けの影響を受けやすく、変色や退色などの原因となります。ここでは、フローリング床の日焼け対策について詳しく解説していきます。

2.1 UVカット効果のあるカーテン・ブラインド

窓から差し込む紫外線をカットするために、UVカット効果のあるカーテンやブラインドは非常に有効です。

2.1.1 レースカーテンの種類と選び方

レースカーテンには、様々な種類があります。日焼け対策として選ぶなら、UVカット率が高いものを選びましょう。

種類 特徴 UVカット率の目安
ミラーレースカーテン 太陽光を反射する効果が高く、日中の室内を見えにくくする効果も期待できます。 約80~90%
遮熱レースカーテン 太陽光の熱を遮る効果が高く、冷房効率の向上も期待できます。 約60~80%
UVカットレースカーテン 紫外線をカットすることに特化したレースカーテンです。 約90%以上

出典: ニッセン

2.1.2 ブラインドの効果的な使い方

ブラインドは、スラットの角度を調整することで、太陽光の入り具合を調整することができます。日差しが強い時間帯は、ブラインドを閉めたり、スラットの角度を調整したりして、室内に direct な紫外線が入らないようにしましょう。

2.2 床保護マット・カーペット

床に直接紫外線が当たるのを防ぐために、床保護マットやカーペットを敷くことも効果的です。

2.2.1 素材選びのポイント

床保護マットやカーペットを選ぶ際には、UVカット加工が施されているかを確認しましょう。また、通気性が良いものを選ぶことで、カビの発生を防ぐことができます。

2.2.2 配置の工夫

特に日焼けしやすい窓際や、家具の周りなど、ピンポイントで床を保護したい場合には、部分的にマットやカーペットを敷くことも効果的です。

2.3 家具の配置換え

家具の配置を変えることでも、日焼けから床を守ることができます。 * 窓際に背の高い家具を置かないようにすることで、床に当たる紫外線の量を減らすことができます。 * 定期的に家具の配置を変えることで、特定の場所にだけ紫外線が当たり続けるのを防ぐことができます。

3. 畳の日焼け対策

3.1 畳にも紫外線は大敵!

「畳は日焼けしない」と思っていませんか? 実は、畳も紫外線の影響を受けやすい素材です。畳の原料であるい草は天然素材のため、紫外線を浴び続けると退色や変色を起こしやすくなります。また、日焼けによって畳の表面が乾燥し、割れやささくれの原因となることも。畳の美観を保ち、長く使い続けるためにも、適切な日焼け対策を行いましょう。

3.2 効果的な日焼け対策

3.2.1 すだれやよしずの活用

窓の外側にすだれやよしずを設置することで、太陽光を遮り、室内への紫外線の侵入を軽減できます。すだれやよしずは、日本の夏の風物詩としても親しまれており、部屋に涼しげな雰囲気を与えてくれるというメリットも。素材やデザインも豊富なので、部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができます。また、最近ではUVカット効果の高い商品も販売されているため、日焼け対策としてより効果的です。

種類 特徴 メリット デメリット
すだれ 細い竹ひごや葦などを糸で編んで作られる。
  • 風を通しやすい
  • 比較的安価
  • デザインが豊富
  • 耐久性が低い
  • 遮光性が低い
よしず 葦を太く平らに裂いて織り込んだもの。
  • すだれよりも遮光性が高い
  • 耐久性が高い
  • 風を通しにくい
  • すだれよりも高価

出典:ニトリ|すだれ特集

3.2.2 UVカット効果のある畳用スプレー

畳専用のUVカットスプレーを使用することで、手軽に畳の日焼け対策ができます。畳用スプレーには、紫外線を吸収・反射する成分が含まれており、畳の退色や変色を予防します。また、防カビ・防ダニ効果のある商品もあるため、畳を清潔に保つこともできます。畳用スプレーは、ホームセンターやドラッグストアなどで購入できます。使用方法や使用頻度は、商品の説明をよく読んでから使用しましょう。

3.2.3 定期的な畳の表替え

畳は、長年使用していると日焼けだけでなく、摩擦や汚れによって表面が傷んできます。畳の表面が傷んできた場合は、畳の表替えを検討しましょう。畳の表替えとは、畳の表面を新しいものに取り替える工事のことです。畳の表替えを行うことで、畳を新品同様に蘇らせることができます。畳の表替えの頻度は、使用状況や環境によって異なりますが、一般的には5〜10年程度が目安とされています。
畳の表替えには、大きく分けて「表替え」と「裏返し」の2種類があります。

3.2.3.1 表替え

表替えは、畳床はそのままで、表面の畳表だけを新しいものに取り替える方法です。比較的費用を抑えることができ、畳の風合いをある程度残すことができます。

3.2.3.2 裏返し

裏返しは、畳表を裏返して使用し、傷みがひどい場合は新しい畳表に張り替える方法です。表替えよりもさらに費用を抑えることができますが、裏返せるのは1度だけです。

出典:全国畳産業振興会|畳替えの知識

3.3 賃貸住宅で畳の日焼け対策をする際の注意点

賃貸住宅の場合、畳の表替えや交換は、基本的に貸主の承諾を得てから行う必要があります。無断で畳の表替えや交換を行うと、原状回復費用を請求される可能性があります。畳の日焼けが気になる場合は、まずは貸主または管理会社に相談してみましょう。

4. 賃貸住宅でできる日焼け対策の注意点

4.1 賃貸契約内容の確認

賃貸住宅では、契約内容によって可能な日焼け対策が制限される場合があります。例えば、

  • カーテンの種類や設置方法の指定
  • ブラインドの設置禁止
  • 窓ガラスにフィルムを貼ることの禁止
  • 家具の配置に関する規定

などが挙げられます。契約前に必ず契約内容を確認し、不明点があれば不動産会社に問い合わせましょう。無断で契約内容に違反するような日焼け対策を行うと、トラブルになる可能性があります。

4.2 原状回復義務について

賃貸住宅では、退去時に部屋を入居時の状態に戻す「原状回復義務」があります。日焼け対策のために設置したものが、原状回復義務の対象となる場合があるので注意が必要です。

4.2.1 窓ガラスフィルムの扱い

例えば、窓ガラスに貼るタイプのUVカットフィルムは、剥がす際に跡が残ったり、ガラスを傷つけてしまう可能性があります。退去時に原状回復費用を請求される可能性があるので、事前に不動産会社に相談し、許可を得てから使用しましょう。許可を得る際には、使用するフィルムの種類や貼り方についても確認しておくと安心です。

4.2.2 床材の損傷

また、日焼け対策を怠ったために床材が変色したり、損傷した場合、原状回復費用を請求される可能性があります。日頃から適切な日焼け対策を行い、床材を保護することが大切です。もし、床材に変色や損傷が見つかった場合は、早めに対処しましょう。放置すると、さらに状態が悪化し、高額な費用がかかる可能性があります。

賃貸住宅の場合、日焼け対策を行う際には、賃貸契約の内容と原状回復義務について十分に理解しておくことが重要です。不明点があれば、不動産会社に相談し、トラブルを避けるようにしましょう。

対策 内容 注意点
窓ガラスフィルム 窓ガラスに貼ることで、紫外線をカットする効果があります。 剥がす際に跡が残ったり、ガラスを傷つける可能性があります。事前に不動産会社に相談し、許可を得てから使用しましょう。
床保護マット 床に敷くことで、家具の重さによる床のへこみや傷を防ぐ効果があります。 素材やサイズによっては、床との間に湿気がこもり、カビの原因となる可能性があります。風通しをよくしたり、定期的にマットを移動させるなど、注意が必要です。

これらの点に注意しながら、賃貸住宅でも安心して日焼け対策を行いましょう。

参考資料:

5. まとめ

賃貸住宅でも、紫外線による床の日焼けは対策できることがわかりました。フローリングにはUVカット効果のあるカーテンやブラインド、床保護マットを活用しましょう。畳には、すだれやよしず、UVカットスプレーが効果的です。賃貸住宅では、賃貸契約の内容を確認し、原状回復義務を踏まえて対策することが大切です。これらの対策を参考に、大切な住まいの床を日焼けから守りましょう。