【ドア陥没】賃貸でも大丈夫?修理費用と火災保険適用を解説

 

「え?ドアが陥没?!」 そんな経験、滅多にないですよね。でも、もしもの時に備えておくことが大切です。 この記事では、ドアが陥没してしまった原因別に、修理費用や火災保険適用について分かりやすく解説します。賃貸住宅の場合の注意点や、自分でできる応急処置、そして、ドア陥没を防ぐための予防策まで網羅! この記事を読めば、万が一の際も落ち着いて行動できるはずです。安心材料として、ぜひご一読ください。

1. ドア陥没の原因とは?

ドアが陥没してしまう原因は、大きく分けて以下の3つが考えられます。

1.1 強い衝撃によるもの

  • 人が勢いよくドアにぶつかった場合や、重い物がドアに当たった場合など、強い衝撃によってドアが枠から外れたり、ドア自体がへこんでしまったりすることがあります。特に、集合住宅の共用廊下など、狭い空間では注意が必要です。
  • 地震などの自然災害も、ドア陥没の原因となります。激しい揺れによってドアが枠にぶつかり、変形してしまうことがあります。
  • 台風や強風時に、風圧でドアが勢いよく閉まり、枠にぶつかって陥没してしまうケースもあります。風の強い日には、ドアクローザーの調整やドアストッパーの利用を検討しましょう。

1.2 経年劣化によるもの

  • ドアやドア枠は、長年の使用によって木材が腐食したり、金属部分が錆びたりすることがあります。劣化が進むと強度が低下し、ちょっとした衝撃で陥没しやすくなります。
  • 特に、湿気の多い場所直射日光が当たる場所では、劣化が早まる傾向があります。定期的なメンテナンスや、状況に応じてドアの交換も検討する必要があります。

1.3 施工不良によるもの

  • ドアの取り付け方が悪かったり、ドア枠の強度が不足していたりする場合、施工不良が原因でドアが陥没しやすくなることがあります。新築やリフォーム後、時間の経過とともにドアの開閉に違和感を感じたら、早めに施工業者に相談しましょう。
  • また、ドアクローザーの調整不良も、ドア陥没の原因となります。ドアクローザーが強すぎると、ドアが勢いよく閉まり、枠に負担がかかります。逆に弱すぎると、ドアが完全に閉まらず、防犯上の問題が生じる可能性があります。適切な調整が必要です。

ドアが陥没してしまう原因はさまざまですが、日頃から注意を払い、適切なメンテナンスを行うことで、防ぐことができるケースも多いです。賃貸住宅の場合、まずは大家さんや管理会社に相談し、状況に応じて修理を依頼しましょう。

2. ドア陥没の修理費用は?

ドアが陥没してしまった場合、修理費用が気になるところですよね。ここでは、ドア陥没の修理費用について、状況別に詳しく解説していきます。

2.1 修理費用の目安

ドア陥没の修理費用は、被害状況やドアの種類、業者によって大きく異なります。一般的な目安としては、以下の通りです。

項目 内容 費用目安
軽度のへこみ
(ドア枠に歪みなし)
ドア表面のへこみを修復 10,000円~50,000円程度
重度のへこみ
(ドア枠に歪みあり)
ドアの交換、またはドア枠の修理を含む大規模な修理 50,000円~300,000円程度
ドアノブ・ドアクローザーの交換 陥没に伴い、ドアノブやドアクローザーが破損した場合の交換費用 5,000円~30,000円程度

上記はあくまで目安であり、実際の費用は状況によって大きく変動します。正確な費用を知るためには、複数の業者に見積もりを依頼することが重要です。

2.2 賃貸と持ち住まいの違い

ドア陥没の修理費用は、賃貸住宅の場合と持ち家の場合で負担者が異なります。

2.2.1 賃貸住宅の場合

賃貸住宅の場合、借主は借りた部屋を大切に使う義務があり、「善管注意義務」が求められます。そのため、借主の故意・過失によるドア陥没は、基本的には借主の負担で修理することになります。 例えば、強い力でドアを閉めてしまい陥没させてしまった場合や、物をぶつけてドアをへこませてしまった場合などが該当します。 ただし、経年劣化や自然災害など、借主に過失がない場合は、賃貸オーナーの負担で修理するのが一般的です。 賃貸住宅の原状回復義務とは? 国交省のガイドラインで解説

2.2.2 持ち家の場合

持ち家の場合は、当然ながら修理費用はすべて自己負担となります。ただし、火災保険の補償内容によっては、火災保険が適用される場合もあります。(詳しくは後述)

3. 火災保険は適用される?

ドア陥没の修理費用は、状況によっては火災保険が適用される場合があります。火災保険は、火災だけでなく、風災や水災、盗難など、様々な損害を補償する保険です。

3.1 火災保険適用の条件

ドア陥没で火災保険が適用されるかどうかは、保険会社や契約内容によって異なりますが、一般的には以下の条件を満たす必要があります。

  • 契約内容に「不測かつ突発的な事故」による損害が含まれていること
  • ドア陥没の原因が、風災、水災、落雷、盗難など、保険の補償対象となる事由であること
  • 経年劣化や通常の使用による損耗が原因ではないこと

例えば、台風で物が飛んできてドアが陥没した場合や、空き巣が無理やり侵入しようとした際にドアが破損した場合は、火災保険が適用される可能性があります。 一方、子供が遊んでいてドアを壊してしまった場合や、家具を移動中にドアをぶつけてしまった場合などは、火災保険が適用されない可能性が高いでしょう。 火災保険の適用については、保険会社に問い合わせて確認することをおすすめします。

3.2 火災保険の申請方法

火災保険を申請する際は、以下の手順で行います。

  1. 3.2.1 保険会社への連絡

    ドア陥没が発生したら、まずは加入している保険会社に連絡し、状況を説明しましょう。保険会社から、申請に必要な書類や手続きについて案内があります。

  2. 3.2.2 必要書類の準備

    保険会社から指示された必要書類を準備します。一般的には、以下の書類が必要となります。

    • 保険証券
    • 事故状況報告書
    • 被害状況がわかる写真
    • 修理費用の見積書
  3. 3.2.3 書類の提出

    必要書類が揃ったら、保険会社に提出します。郵送やオンラインで提出する方法があります。

  4. 3.2.4 保険金支払い

    保険会社による審査後、保険金が支払われます。保険金は、指定の口座に振り込まれます。

4. 火災保険は適用される?

ドアが陥没した場合、状況によっては火災保険が適用される可能性があります。ただし、火災保険はあくまでも火災や風災、水災など、偶然な事故による損害を補償するものです。そのため、ドア陥没の原因が経年劣化や日常的な使用による摩耗である場合、火災保険は適用されません

4.1 火災保険適用の条件

ドア陥没で火災保険が適用されるためには、以下の条件を満たしている必要があります。

    1. 保険の対象となる事故が原因であること

火災保険の補償範囲は保険会社や契約内容によって異なりますが、一般的には以下の様な事故が対象となります。(※ご自身の契約内容をご確認ください)

      • 火災
      • 落雷
      • 爆発
      • 風災
      • 雹災
      • 雪災
      • 水災
      • 盗難
      • 不測かつ突発的な事故(物体の落下・衝突、水漏れなど)
    1. 経年劣化や通常の使用による損傷ではないこと

経年劣化や通常の使用による損傷は、火災保険の対象外です。例えば、長年の使用によってドアの枠が歪んでしまい、ドアが閉まらなくなったといった場合は、火災保険は適用されません。

4.2 具体的な適用例

ドア陥没で火災保険が適用されるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

ケース 状況
台風による損害 台風によって飛来物がドアに激突し、ドアが陥没した。
水災による損害 水害によってドアが水没し、膨張してドア枠にはまらなくなった。
盗難による損害 空き巣がドアをこじ開けようとした際に、ドアが陥没した。

4.3 火災保険の申請方法

火災保険を申請する際には、以下の手順を踏む必要があります。

    1. 保険会社への連絡

ドア陥没が発生したら、まずは加入している保険会社に連絡しましょう。保険会社に連絡する際には、保険証券番号や事故状況などを伝えます。また、保険会社によっては、事故現場の写真撮影を求められる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

    1. 損害状況の確認

保険会社から派遣された損害調査員が、損害状況を確認します。損害調査員は、ドア陥没の原因や損害の程度などを調査します。そのため、損害状況を詳しく説明できるように、事前に整理しておきましょう。

    1. 保険金請求書類の提出

損害状況の確認後、保険金請求書類が送付されます。保険金請求書類には、事故状況や損害額などを記入する欄があります。必要事項を記入し、保険会社に提出しましょう。

    1. 保険金の受け取り

保険会社による審査後、保険金が支払われます。保険金の支払い時期は、保険会社や契約内容によって異なります。

4.4 火災保険を利用する際の注意点

    • 保険金が支払われないケースもある

火災保険は、必ずしも保険金が支払われるとは限りません。例えば、損害の原因が火災保険の補償対象外であった場合や、損害額が免責金額を下回った場合は、保険金は支払われません。また、保険会社に連絡するのが遅くなると、保険金が減額される場合もあるため注意が必要です。詳しくは損害保険協会のウェブサイトなどを参考にしてください。

    • 保険金の使い道は自由

火災保険で受け取った保険金は、ドアの修理費用だけでなく、その他の用途にも使用することができます。例えば、ドアの修理費用が保険金よりも安い場合は、残りの保険金を家具の購入費用や引っ越し費用に充てることができます。

火災保険の適用については、ご自身の契約内容や事故状況によって判断が異なるため、まずは加入している保険会社に相談することをおすすめします

5. 賃貸住宅の場合の注意点

賃貸住宅でドアが陥没した場合、費用負担や修理の手順など、持ち家とは異なる注意点がいくつかあります。トラブルを避けるためにも、以下の点を押さえておきましょう。

5.1 大家さんへの連絡

ドアが陥没したら、まずは速やかに大家さんまたは管理会社に連絡しましょう。賃貸借契約によっては、借主の過失がなくても、勝手に修理を行うとトラブルになる可能性があります。連絡の際には、ドアの状態や陥没した時の状況などを詳しく伝えましょう。

5.2 修理業者の選定

基本的には、大家さんまたは管理会社が修理業者の選定を行い、手配を行います。ただし、借主が希望する業者がある場合は、事前に大家さんまたは管理会社に相談し、許可を得るようにしましょう。

5.3 費用負担

ドア陥没の修理費用は、原因によって誰が負担するかが異なります

原因 費用負担 備考
借主の故意・過失(例:物をぶつけた、乱暴な扱い) 借主 故意・過失の程度によっては、一部負担になる場合もある。
借主の善管注意義務違反(例:経年劣化の放置) 借主 どこまでが「善管注意義務違反」に当たるかは、状況によって異なる。
経年劣化 大家 ただし、設備の耐用年数を超えている場合は、借主負担になる場合もある。国土交通省の「住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令の一部を改正する政令案について」を参考に。
施工不良 大家または施工会社 築年数が浅い場合は、施工不良の可能性が高い。
自然災害 火災保険の適用範囲による 火災保険に加入している場合は、保険金が支払われる可能性がある。詳しくは「損害保険料率算出機構」のウェブサイトなどを参照。

賃貸借契約書をよく確認し、費用負担について不明な点があれば、大家さんまたは管理会社に確認するようにしましょう。

6. 自分でできる応急処置

ドアが陥没した際、すぐに専門業者に修理を依頼することが大切ですが、状況によっては応急処置が必要になることもあります。ここでは、安全を確保しながら自分でできる応急処置について解説します。

6.1 1. 周りの安全確認

応急処置を行う前に、まずは周囲の安全を確認しましょう。ドアの破片や落下物などがないか、注意深く確認してください。特に、小さなお子さんやペットがいる場合は、近づかないように注意が必要です。

6.2 2. けがの確認

ドアの陥没に巻き込まれた人がいないか確認し、けがをしている場合は、すぐに救急車を呼びましょう。応急処置に気を取られて、けが人の処置が遅れてしまうことがないように注意してください。

6.3 3. ドアが開閉できるか確認

ドアが陥没しても、開閉できる場合があります。無理に動かすと危険なので、慎重に確認してください。もし、ドアが開閉できる場合は、無理のない範囲で開閉し、換気をしたり、必要なものを取り出したりしましょう。

6.3.1 ドアが開閉できない場合

ドアが完全に閉まってしまい、開閉できない場合は、無理にこじ開けようとせず、専門業者に依頼しましょう。無理にこじ開けようとすると、ドアや周りの壁、床などを傷つけてしまう可能性があります。また、ドア枠自体が歪んでしまっている場合もあり、素人が手を出すのは危険です。

6.4 4. 簡易的な補修

ドアの陥没が軽微で、専門業者が到着するまでの間、一時的に補修する必要がある場合は、ガムテープや養生テープなどで固定しましょう。ただし、これはあくまでも一時的な処置であり、根本的な解決にはなりません。できるだけ早く専門業者に修理を依頼しましょう。

状況 応急処置 注意点
ドアに穴が開いている 段ボールやベニヤ板を当てて、ガムテープで固定する 強度が低いため、あくまでも一時的な処置とする
ドアが枠から外れている 無理に戻さずに、専門業者に依頼する 無理に戻そうとすると、ドアや枠をさらに傷つける可能性がある
ドアノブが破損している ドアノブを分解できる場合は、分解して応急的に固定する 分解できない場合は、無理に修理しようとせず、専門業者に依頼する

 

6.5 5. 専門業者への連絡

応急処置が完了したら、すぐに専門業者に連絡しましょう。専門業者に状況を説明し、修理の見積もりを依頼します。賃貸住宅の場合は、大家さんにも連絡し、修理について相談しましょう。

参考資料:国土交通省「住まいのトラブルQ&A」

7. ドア陥没を防ぐための予防策

ドア陥没は、事前の対策を講じることで防げるケースも少なくありません。ここでは、住宅の状況に合わせた予防策を紹介します。

7.1 日頃のメンテナンス

7.1.1 蝶番(ヒンジ)の点検と注油

ドアの開閉をスムーズに行うためには、蝶番の状態が重要です。定期的に点検し、緩みがあれば締め直しましょう。また、潤滑油を注すことで、摩擦による劣化を防ぐことができます。注油には、ホームセンターなどで販売されている潤滑スプレーが便利です。

点検頻度 点検内容 対処法
月に1回程度 緩みがないか、異音がしないか ドライバーで締め直す、潤滑油を注す
年に1回程度 錆や汚れの付着 錆を落としてから潤滑油を注す

出典:賃貸住宅のドアの開閉がスムーズじゃない!原因と修理費用、自分でできる対処法を紹介|ホームズ

7.1.2 ドアクローザーの調整

ドアクローザーは、ドアをゆっくりと閉めるための装置です。経年劣化や調整不良によって、ドアが勢いよく閉まり、枠に大きな衝撃が加わってしまうことがあります。ドアクローザーの速度調整ネジを回すことで、閉まるスピードを調整できます。調整方法については、各メーカーの取扱説明書を参照してください。

7.2 ドアの使用方法

7.2.1 強い衝撃を与えない

ドアを勢いよく閉めたり、体にぶつけたりするなど、強い衝撃を与えることは避けましょう。特に、重い荷物を持っている時や、子どもが遊んでいる時などは注意が必要です。

7.2.2 重いものをぶら下げない

ドアノブやドアクローザーに、必要以上に重いものをぶら下げないようにしましょう。過度な負荷がかかり、破損の原因となります。

7.3 環境

7.3.1 湿気対策

湿気が多い環境では、ドア枠が腐食しやすくなり、陥没のリスクが高まります。浴室や洗面所など、湿気がこもりやすい場所では、換気をこまめに行い、湿度を下げるように心がけましょう。除湿機や乾燥剤の活用も効果的です。

7.4 建具の選択

7.4.1 耐久性の高いドアを選ぶ

新築やリフォームの際には、耐久性の高いドアを選ぶことが大切です。例えば、無垢材のドアは、合板に比べて強度が高く、傷や衝撃に強いという特徴があります。また、表面に強化シートを貼ったドアは、傷や汚れに強く、お手入れも簡単です。

出典:建具の選び方|室内ドア・フローリング・収納|大建工業

8. まとめ

ドア陥没を防ぐためには、日頃からドアの状態に気を配り、適切なメンテナンスを行うことが重要です。また、ドアの使用方法や環境にも注意することで、陥没のリスクを軽減することができます。新築やリフォームの際には、耐久性の高いドアを選ぶことも検討しましょう。これらの予防策を講じることで、大切な住まいを長く安全に保つことができます。

9. まとめ

ドアの陥没は、強い衝撃や経年劣化、施工不良など、さまざまな原因で起こりうることが分かりました。修理費用は原因や状況によって異なりますが、火災保険が適用される場合もあるため、まずは加入している保険会社に確認してみましょう。賃貸住宅の場合は、自己判断で修理せず、必ず大家さんに連絡し、指示を仰ぐことが大切です。日頃から適切なメンテナンスを行うことで、ドアの陥没を防ぐことができます。もしもの時のために、この記事で紹介した内容を参考に、落ち着いて対処しましょう。